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公開日:2023.07.19
更新日:2026.02.06
自治体での業務を効率化しつつ、行政サービスの品質を維持する方法を探していませんか? 解決策の1つとして、業務の一部を民間事業者に委託する方法が挙げられます。
本記事では、外部委託が可能な自治体業務の例、外部委託するメリット、民間委託する際の主な方法についてわかりやすく解説しています。窓口業務を委託する際に注意しておきたいポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次 ➖
はじめに、自治体業務の民間委託に関する基本事項を整理しておきましょう。自治体の業務委託が広がっている背景とともに解説します。
自治体業務の民間委託とは、地方公共団体が担っている業務のうち、一部を民間の企業や団体に委ねることを指します。民間事業者を活用する点はBPOと共通していますが、業務委託とBPOには違いがあることに注意が必要です。
BPOとは、業務プロセスを一括で外部委託することを指します。単純に業務の一部を外部の事業者に委託するのではなく、業務の企画や設計、施策の実行、分析なども委託範囲に含まれている点が特徴です。一方、業務委託やアウトソーシングでは業務の一部を切り出して外部に委託します。既存の業務プロセス自体に変更を加えることなく、そのまま外部の事業者に委託する点がBPOとの大きな違いです。自治体BPOについては次の記事で解説していますので、あわせてご参照ください。
自治体BPOとは? 導入メリットや活用事例、委託先の選び方を解説
近年、自治体の窓口業務を外部委託する動きが加速している背景には、人材不足に陥っている自治体の実態があります。国内人口が減少に転じる中、行政サービスの利用者が減少しつつある自治体が存在する一方で、利用者が減少しても容易に事業を縮小できないことが行政サービスの難点です。結果として限られた職員数で業務をこなすことになり、1人あたりの負担が重くなりかねません。
また、地方分権が進展し、財政制約が強まりつつあることも自治体の業務委託が一般的になっている要因といえます。業務効率化と行政サービスの品質維持を両立させるための策として、民間事業者を活用するケースが増えているのが実情です。
自治体の窓口業務を外部委託する場合、具体的にどのような業務を委託できるのでしょうか。外部委託が可能な窓口業務の例を紹介します。
窓口業務でとくに多く発生しやすい申請・届出・証明に関する説明や、案内といった業務を外部委託できます。以下は外部委託が可能な業務の一例です。
マイナンバーに関連する業務は、自治体職員にとって負担になりやすい業務といえます。以下の業務を外部委託することによって、職員の負担軽減を図ることができるでしょう。
電話対応を外部委託することにより、職員の負担を軽減することも可能です。コールセンター業務として一括で委託することで、電話対応に要していた時間や労力を大幅に削減できます。
新型コロナワクチン接種に関する業務についても、事業者によっては接種会場運営を含めて外部委託できます。ノウハウをもった事業者に委託することにより、負担を大きく軽減できるでしょう。
給付金業務についても、関連する業務を一括して委託に対応している事業者があります。振込期限等に間に合わせる必要がある業務も多々あり、次に挙げる業務を外部委託することで負担を大幅に減らせるでしょう。
施設での常駐管理業務をはじめ、敷地内の植栽管理業務などを一括して委託できる事業者もあります。本来の担当業務に加えて施設管理業務を兼務している場合、突発的な対応が必要になるなど業務負担が増加しかねません。施設管理業務を外部委託することで、本来の業務に集中しやすい環境を整えられます。
窓口業務を外部委託することで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットとして、次の5点が挙げられます。
幅広い対応が必要な窓口業務は、職員にとって大きな負担となりがちです。窓口業務を外部委託することで内部人材をコア業務に配置しやすくなり、業務効率が向上します。給付金業務など同時期に申請が集中しやすい業務に関しても、人的リソースを取られることなく対応できるでしょう。職員がコア業務に注力しやすくなることは、窓口業務を外部委託する大きなメリットの1つといえます。
窓口業務に関するノウハウや実績のある事業者に委託することにより、行政サービスの品質向上につながります。対面・電話等での応対に精通している人材を窓口業務に投入できるため、利用者の満足度も向上するでしょう。
窓口での待ち時間短縮が実現しやすくなることも、利用者にとってのメリットです。事業者によっては対面や電話以外の問い合わせチャネルを提供しているケースもあるため、混雑を回避できる可能性があります。
自治体の窓口業務を熟知している事業者に委託することにより、スピーディに即戦力化できる点もメリットの1つです。人材の募集や教育に要する時間・コストを削減できるでしょう。
人材教育に内部人材のリソースを割かれてしまうと、教育・指導にあたる職員が本来の業務に注力しにくくなり、ますます業務が圧迫されるという悪循環に陥りかねません。窓口業務の外部委託によって削減できる時間・コストを鑑みると、外部委託にかかる費用は十分にペイできるケースも多いと考えられます。
窓口業務は時期や曜日、時間帯によって繁忙状況にムラが生じがちです。繁忙期と閑散期で正規職員数を調整するのは困難であることから、繁忙期に合わせて臨時職員を採用していた自治体も多いのではないでしょうか。
窓口業務を外部委託することにより、人員を柔軟に調整しやすくなります。対面での応対や電話応対が増加する時期に合わせて外部人員の増強を図ることも可能です。繁忙期・閑散期にそれぞれ必要な人員を無駄なく配置できることは、窓口業務を外部委託するメリットといえるでしょう。
窓口業務で担当者が把握しておくべき事項は多岐にわたることから、特定の業務について限られた職員だけが詳細を把握している状況が生じかねません。業務が属人化しやすく、対応可能な職員が限られてしまう上に、担当者が離職・休職した際には引き継ぎの負担が増すリスクも考えられます。
窓口業務を外部委託することで業務内容の共有化・標準化が促され、特定の職員だけが把握している業務を削減する効果が期待できます。窓口業務全体が可視化され、より透明性の高い業務の遂行を実現できることもメリットの1つです。
自治体業務の民間委託には、いくつかの方法があります。ここでは主な5つの委託方法に加え、民間提案型官民連携モデリング事業の活用について見ていきましょう。
業務委託とは、民間事業者に意思決定を委ねず業務のみを依頼する方式のことです。自治体の民間委託で広く活用されている一般的な方法といえます。地方自治体側で業務の仕様や進め方を決定し、民間事業者にはそのとおりに業務を進めてもらう点が特徴です。
業務委託を選択するメリットとして、民間事業者の知見や専門性を活用できる点が挙げられます。業務効率化を図りつつ、サービスの品質向上を両立させた自治体様におすすめの委託方法です。
指定管理者制度とは、公共施設の管理業務のほか運営も含めて幅広く委託するための制度です。施設運営の企画段階から民間事業者が参入する点に特徴があります。
指定管理者制度を活用するメリットは、民間事業者の強みやアイディアが施設の運営計画に盛り込まれることです。たとえば施設運営の効率化を図り、黒字転換を目指したいような場合には、指定管理者制度の活用が適しているでしょう。
PFI(Private Finance Initiative)とは、民間事業者が主体となって公共施設の設計・建設から維持管理・運営・改修・更新などを一貫して担うことを指します。民間事業者の資金や技術力、ノウハウを活かせる点が特徴です。
優れた品質の公共サービスをより安価に提供することがPFIの主な目的です。ただし、発注者はあくまでも地方公共団体であり、委託内容は公共事業として位置づけられます。民間事業者が主体となる民営化とは異なるため、明確に区別しておくことが大切です。
包括連携協定とは、地域の課題に対して地方自治体と民間企業が分野を限定することなく協力し、解決を目指すための協定のことです。連携の範囲は多岐にわたり、特定の分野に限定されていない点が個別協定とは異なります。
たとえば「健康増進」「子育て支援」「高齢者支援」「環境保全」といった地域の課題が、包括連携を行う分野として挙げられます。協定締結後は、地方自治体から企業等へ協力を仰ぎたい事項を要望するか、もしくは企業側からの提案を受けて業務所轄課のマッチングが行われます。
民間提案型官民連携モデリング事業とは、地方公共団体が抱える課題に対して、民間事業者が解決策を提案する官民連携の手法のことです。具体的には、地方公共団体が民間企業から提案を受け付けるための窓口を開設し、積極的に提案を受け入れて事業化するための取り組みを指します。
民間事業者にとって、自治体に対して提案する際の窓口が明確になる点が大きなメリットです。一方で、自治体にとっては事業化に至る提案を必ず得られるとは限らない点に注意が必要です。
窓口業務を外部委託する際には、いくつか押さえておくべき注意点があります。外部委託のメリットを最大限に引き出すためにも、次のポイントを確認しておきましょう。
窓口業務を外部委託できることは自治体にとってメリットである反面、委託した業務がブラックボックス化するリスクも抱えている点に注意が必要です。委託先における担当者の応対品質や、実際に応対した件数などが不明瞭な状態になりかねません。
一例として、業務の状況や進捗が随時共有される仕組みが提供されているか、事前によく確認しておく必要があるでしょう。委託先の事業者とどのようにコミュニケーションを図ることになるのか、具体的な伝達手段も含めて確認しておくことをおすすめします。
業務を民間委託することによって、自治体内部にノウハウが蓄積されにくくなることが懸念されます。将来的に内部での窓口対応に回帰することも見越して、委託先の事業者にノウハウを共有してもらう必要があるでしょう。
たとえば、委託先が作成・活用しているマニュアルの開示など、ノウハウを共有するための仕組みが提供されているか確認しておくことが大切です。当面の負担軽減に終始するのではなく、中長期的な事業運営を見据えた委託先の選定が求められます。
窓口業務を外部事業者に委託する以上、利用者の個人情報を委託先の事業者に提供することになります。個人情報の取り扱いや情報漏えいへの対策が十分に講じられているか、事前に確認しておかなくてはなりません。
たとえば、委託先の事業者が利用しているシステムのセキュリティレベルや、実務を担当するスタッフへの教育・指導体制などを確認しておくことが大切です。情報漏えいが実際に発生した際の対処方法も含めて、具体的なフローを共有しておく必要があります。
エイジェックグループでは、自治体業務を徹底的にサポートする「自治体総合BPO」を提供しています。16政令指定都市を含む全国162自治体との受託実績にもとづく、豊富なノウハウを提供できる点が強みです。エイジェックグループの「自治体総合BPO」の特徴を紹介します。
エイジェックグループでは自治体様の幅広い業務を包括契約にてお引き受けしています。自治体様が委託したい業務範囲に応じて、柔軟に対応できる点が大きなメリットです。一例として、マイナンバー関連業務や給付金関連業務、新型コロナワクチン接種会場包括運営といった多種多様な業務に対応できます。また、窓口業務をはじめ、警備や清掃、設備管理といった施設管理業務も含めてご依頼いただくことも可能です。
インハウス(庁舎内)・アウトソース(外部施設利用)のいずれにも対応できることも、エイジェックグループの強みの1つです。庁舎内に空きスペースを確保しにくい状況であっても、無理なく外部委託をご活用いただけます。
インハウス/アウトソースのどちらを選択した場合も、毎月の定例会にて業務の状況をご報告しています。外部委託を導入したことによる改善効果を随時評価していただけることに加え、ノウハウの共有化を図る機会としてもご活用いただけるでしょう。
時代のニーズに応じたサポートを提供できることも、エイジェックグループにご依頼いただくメリットの1つです。グループ会社やアライアンス企業との連携により、ワクチン接種事業やデジタル化・DX化といった多様なニーズに柔軟に対応できます。
お問い合わせ・ご相談いただいた際には、自治体様のご状況や抱えている課題についてヒアリングを実施します。数多くの自治体様との実績で培ったノウハウに基づき、最適な解決策を提案させていただきます。現在お困りのこと・課題を感じていらっしゃることについて、ぜひお気軽にご相談ください。
自治体の窓口業務を外部委託することで、内部人材をコア業務に配置しやすくなることや、よりいっそうのサービス品質向上を目指せることが大きなメリットです。今後はますます人手不足に拍車がかかり、地方分権の進展や財政制約の影響も相まって、自治体業務の民間委託がさらに一般的なものとなっていくことが想定されます。自治体様・利用者様の双方にとってメリットのある業務委託を検討してみてはいかがでしょうか。
エイジェックグループでは、窓口業務をはじめ施設管理業務に関する多種多様な業務に対応しています。現状に即した柔軟なサポートをお求めの自治体様は、ぜひエイジェックグループの「自治体総合BPO」をご活用ください。
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